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社長は離婚後、自己破産、、

転職バカ退職後、まだ在籍中の社員との連絡も取っていたため、
会社の情報は入ってきていました。

視点が定まらず、宙を見つめる社長。

後で知ったのですが、先輩社員が次々と退社していったきっかけはいくつかあったらしいです。

以前からボーナスを支給するという話があったみたいなのですが、
結局経営がやばいので今年も出ない、、という風になってしまったこと。

そして、社長自身が、
「俺のやり方についてこれないやつは辞めろ!」と言っていたらしいことでした。

社長自身が自分についてこれないやつは辞めろ!と言ったわけですが、
それをきっかけに社員が続々と辞めたとすれば、
社長にとってはかなりショックだったと思います。

転職バカが辞めたあと、事務員から聞いた話では、
社長は考え事をすることが多くなり、
一日中宙を見つめていて、電話にも出なくなっていたようでした、、

当時25歳だった転職バカは、
あんなにエネルギッシュで豪快だった人間でも、
窮地に追い込まれると人が変わるんだ、、と残念に思った記憶があります。

その後しばらくの間はなんとか会社は存続していたようでしたが、
倒産するのも時間の問題だということでした。

そして、転職バカがこの会社を辞めてから、
多分半年くらい経ったときだったと思います。

とうとう社長は自己破産をして、
会社は丸ごと、某企業のシステム部に吸収された
ということでした。

このあたりのいきさつはあまり詳しく聞いていませんが、
社長は離婚をして自己破産し、娘さんの結婚式にも出なかったと聞きました。

転職バカ、先輩たちのその後

早々に辞めていった先輩たちはかなり優秀な人が多かったので、
中には辞めてすぐに会社をおこす人もいました。

最もスキルが高く、エース社員だったOさんも辞めてすぐに会社をおこしていましたが、
辞めた他の先輩は、この会社に入った人も多くいました。

Oさんは真面目で優秀な技術者だったので、
今回のブラック企業の社長と同じ轍は踏まず、
10年以上たった今でも健全な経営を続けているようです。

他の先輩たちはフリーの技術者として食いつなぐ人、
出向先の企業で、そのまま社員になった人など、いろいろです。

当時のシステム開発の現場では、
プログラマーやSEとして、ある程度のスキルがあれば、フリーとして雇ってくれる企業は少なくなく、
中間マージンを取られないため、キャリア2年程度の技術者であっても、
給料が倍以上に膨れ上がるというのはザラでした。

転職バカも辞めた後は少しの間フリーの技術者として働いていました。

ただ、給料は確かに跳ね上がりますが、
フリーの技術者というのは聞こえほどかっこいいものでも将来があるわけでもありません。

フリーということは、その出向先の会社の社員ではないということなんですが、
システム開発現場で責任のある仕事はほぼ社員に任されていくので、
フリーで雇われている限り、重要なポジションというのはあまり回ってきません。

イメージ的には社員でカバーしきれず、こぼれた仕事をフリーや非常勤スタッフに任せる、
というような感じです。

結局お金は悪くないけど、
フリーの雇われとして長く続ければ続けるほど自分のキャリアが腐っていくと気づいた転職バカは、
2年足らずでフリーのエンジニアから足を洗い、会社を立ち上げることになりました。

結局フリーの技術者なんて、キャバ嬢と同じで、
今のお金はいいけど志を持たず続けてしまうと、賞味期限が切れれば働き口がなくなります。

当時を振り返ってみて

ここまでで、転職バカのブラック企業の体験記はおしまいです!

もう10年くらい前の話になるのですが、
今でもそのころの記憶は鮮明に残っています。

書いていて思ったことがいろいろあったので、
最後にここに編集後記的に書いておきたいと思います。

転職バカにとって、このブラック企業が最初で最後のサラリーマン生活でした。

10年経ったいま、振り返ってみると、
むちゃくちゃな待遇で扱われていたことに、笑ってしまうくらいなのですが、
当時、この会社がおかしな会社だという印象はほとんどありませんでした。

それどころか、こんな会社なのに人一倍愛社精神を持っていましたし、
他の人はどう感じていたかかわかりませんが、
転職バカは人としてすごく成長できたと思っています。

なので、転職バカにとっては、本当はこの会社はブラック企業でもなんでもありません

世間一般的にはブラックに該当するかもしれませんが、
自分にとっては純粋に愛すべき会社でした

先輩社員が辞めていった時も、正直すごくショックで、信じられなかったので、
みんな社長を懲らしめるために一時的に会社を離れただけなんじゃないの?
と思っていたくらいです。

毎月のように辞めていく先輩社員、、」のページでは、
当時の先輩からの退職の挨拶メールがこんな感じで来た、
ということを紹介しています。

つまり、転職バカは当時のことを忘れたくないので、
10年以上前のメールをそのまま今使ってるパソコンに残しているんです。

パソコンを買い替えるごとに、古いメールを全部新しいパソコンに移行してきています。

それくらい自分にとっては思い出深い会社だったわけですが、
結局何がいいたいかと言うと、
ブラック企業に勤めようが、待遇のいい上場企業に勤めようが、
自分が人として成長するかどうかは結局自分にかかっている
んだなぁと思います。

実は転職バカは、今回のブラック企業体験記を書くまで、
この会社をブラックだと思ったことは一度もありませんでした。

当初、このコンテンツは「転職バカのサラリーマン体験記!」という名前で書いていたのですが、
出てくるエピソードがすべてブラック該当だったので、
「転職バカのブラック企業体験記!」という風に改めたのです。

阪急電鉄の生みの親小林一三さんの言葉に、
「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。
そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。」という言葉がありますが、
ブラック企業でも意識を高くもって仕事に取り組めば、
絶対に何か得るものはあるんだなぁと書きながら再確認しました。

転職活動をしているみんなに、少しでも参考になる部分があったなら幸いです。

最後まで読んでくれてありがとう!

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