はやく上司やメンバーに報告したいと
意気揚々と会社へ戻ったのですが、何かオフィスの様子が変でした。
自分の席に戻るとバケツと雑巾をもった配属先の先輩1人と上司が、
机をきれいにし、身支度を整えている最中でした。
上司に初成約したことを報告すると、
返ってきた言葉は、
上司⇒「おめでとう。俺はやめるけど、おまえはがんばれよ。」
次郎三郎⇒「え!?」
急なことに、すごく驚きましたが、
さらに驚いたのが・・・
かなり大勢の開発部門の人たちが同じように、
机をふいたり、段ボールでものを運んでいたりしていた、
とのことでした。
引越しか?とふいに一瞬、
浮かんだこともすぐに打ち消すかのように、
「退職することになりました」
などと電話をしている社員を見て、まだ社会人になりたての自分には・・・
一体何が起こっているのか、、頭で整理できませんでした。
あとですぐにわかったことですが、
このASPを開発したものの投資回収のめどがたたず、
最終的に、ソフトの開発部署と責任をとらされた2課の上司や先輩も
自主退社ではなく、急なリストラとなったようでした。
当時は、それを聞いて、
「なぜ自分は残っているのか?」
ということが疑問でしたが、誰にもそれを言える環境もなく、
相談することもなく、ただ漠然とその事実を受け止めていました。
・・・初成約の喜びも複雑なものになりました。
入社1か月もたたずに、開発部門はほぼ解散。
40名から一気に半数の20名の組織になりました。
いきなり、そんなはじまりでしたが、
会社をやめるという選択肢はまったくありませんでした。
理由は単純なものです。
せっかく就職してすぐにやめるのは、
【格好がつかないため】
それだけは避けたい!という思いだけでした。