早々に辞めていった先輩たちはかなり優秀な人が多かったので、
中には辞めてすぐに会社をおこす人もいました。
最もスキルが高く、エース社員だったOさんも辞めてすぐに会社をおこしていましたが、
辞めた他の先輩は、この会社に入った人も多くいました。
Oさんは真面目で優秀な技術者だったので、
今回のブラック企業の社長と同じ轍は踏まず、
10年以上たった今でも健全な経営を続けているようです。
他の先輩たちはフリーの技術者として食いつなぐ人、
出向先の企業で、そのまま社員になった人など、いろいろです。
当時のシステム開発の現場では、
プログラマーやSEとして、ある程度のスキルがあれば、フリーとして雇ってくれる企業は少なくなく、
中間マージンを取られないため、キャリア2年程度の技術者であっても、
給料が倍以上に膨れ上がるというのはザラでした。
転職バカも辞めた後は少しの間フリーの技術者として働いていました。
ただ、給料は確かに跳ね上がりますが、
フリーの技術者というのは聞こえほどかっこいいものでも将来があるわけでもありません。
フリーということは、その出向先の会社の社員ではないということなんですが、
システム開発現場で責任のある仕事はほぼ社員に任されていくので、
フリーで雇われている限り、重要なポジションというのはあまり回ってきません。
イメージ的には社員でカバーしきれず、こぼれた仕事をフリーや非常勤スタッフに任せる、
というような感じです。
結局お金は悪くないけど、
フリーの雇われとして長く続ければ続けるほど自分のキャリアが腐っていくと気づいた転職バカは、
2年足らずでフリーのエンジニアから足を洗い、会社を立ち上げることになりました。
結局フリーの技術者なんて、キャバ嬢と同じで、
今のお金はいいけど志を持たず続けてしまうと、賞味期限が切れれば働き口がなくなります。